グリム エコーズ 赤 ずきん。 #グリムエコーズ #赤ずきん

赤ずきん

グリム エコーズ 赤 ずきん

可愛らしい絵本や漫画などでも有名な 『赤ずきん』。 グリム童話の中でオオカミが出てくる話といえば、真っ先に 『赤ずきん』が思い浮かぶのではないだろうか。 きっと、かわいい赤ずきんをかぶった女の子の話を一度は聞いたことがあるだろう。 赤ずきんちゃんが病気で寝ているおばあさんの元にお見舞いに行くと、おばあさんに化けていたオオカミにペロリと食べられてしまう。 たまたま通りかかった猟師が、赤ずきんちゃんと、先に食べられていたおばあさんを助けるという話だ。 しかし、 原作の『赤ずきん』には、さらに続きがある。 オオカミと赤ずきんちゃんのバトルは、一度ではないのだ。 今回は、グリム童話版のを読み返しながら、 本当は怖い赤ずきんちゃんの世界をご紹介しよう。 \ U-NEXTなら、31日間は見放題作品140,000本が無料で視聴可能です/ 『赤ずきん』のずる賢いオオカミ 『赤ずきん』に出てくるオオカミは怖い。 ずる賢く、計算高いうえに、1日でおばあさんと赤ずきんちゃんの2人をすっかり食べてしまうほど、大きいのだ。 赤ずきんちゃんがお母さんのお使いで、病気のおばあさんのお見舞いに出かけると、すぐに1匹のオオカミがやってくる。 赤ずきんちゃんの家からおばあさんの家までは30分程度の距離とされているので、オオカミがすぐに出てこなければ、赤ずきんちゃんはとっくに辿りついていただろう。 つまり、オオカミはずっと森の入り口で、子どもが通りかかるのを狙っていたのだ。 さて、オオカミは 「こんにちは、赤ずきんちゃん」と優しく話しかける。 そして、会話をうまく誘導して、おばあさんが住んでいる場所を巧みに聞き出す。 オオカミは、こっそり考える。 「この小さな、やわらかそうな子は、脂がのっているな、ばあさんより、ずっと味がよさそうだ。 2人ともごちそうになるには、うまいことやらなくちゃな」 美味しそうな赤ずきんちゃんだけならまだしも、たいして美味しそうでもないおばあさんまでもすっかり食べてしまおうと考えているのだ。 貪欲だ。 赤ずきんちゃんが花を摘みながら、森の奥深くに入っていくように仕向けると、今度は弱っているおばあさんのところへ行く。 そして、こう言うのだ。 「赤ずきんよ、ケーキとワインをもってきたの。 開けてちょうだい」 赤ずきんちゃんが来たと思ったおばあさんがドアの開け方を教えると、 オオカミはまっすぐにおばあさんに近づき、いっきに飲み込んでしてしまう。 独り暮らしのご老人の孫に対する優しい気持ちを利用した、 グリム童話版・オレオレ詐欺。 大人一人を飲み込んでしまう食欲と口の大きさも恐ろしいが、この ずる賢さが最も恐ろしい。 ようやく赤ずきんちゃんがおばあさんの家にやってくると、オオカミはおばあさんのふりをして、赤ずきんちゃんを自分の近くにおびき寄せる。 赤ずきんちゃんが 「おばあさん、なんておそろしく大きな口なの!」と言うと、 「おまえを、さっと食うためさ!」と叫んで、オオカミは赤ずきんちゃんをもペロリと飲み込んでしまう。 ちなみに、グリム童話より前の原作として、 シャルル・ペローの童話集にも入っている 『赤ずきん』。 なんとペロー版は、ここで話がおしまい。 おばあちゃんも赤ずきんちゃんも食べられたまま、助からず、オオカミのおなかの中で人生の幕を閉じるのだ。 文字通り、救いようのない悲劇の童話である。 一方、グリム版ではここからがダークな 『赤ずきん』の見どころ。 オオカミへの壮絶な復讐が始まるのだ。 赤ずきんちゃんの復讐 オオカミに飲みこまれた2人は、猟師の手によって無事に助けられる。 ここからの復讐劇が、よく考えるとけっこう残酷だ。 2人をペロリと飲み込んだオオカミはおなかが満たされたので、いびきをかきながら眠ってしまう。 そこへ通りかかった猟師は、 「おばあさんがこんな大きないびきをかくなんておかしい」と思い、部屋の中へ入る。 すると、オオカミが寝ている。 それをみて、猟師は 「おばあさんが食べられたのかもしれない、ひょっとするとまだ助けられるぞ」 と考える。 そして、ハサミでオオカミのおなかをチョキチョキチョキ。 すると、中から赤いずきんをかぶった女の子とおばあさんが出てきた。 2人ともオオカミの胃液で溶けてなくて本当によかった。 この時、オオカミはまだ寝ている。 腹を裂かれて胃やら腸やらが出されても、寝ている。 ここにきて、赤ずきんちゃんの残酷さが垣間見える。 彼女は急いで外へ走っていき、大きな石を持ってくる。 それを見たおばあさんと猟師は、赤ずきんちゃんと一緒になってその石をオオカミのおなかに詰め込む。 オオカミのおなかに石を詰めることを思いつき、しかも3人がかりでやっとオオカミのおなかに詰められる大きな石を、一人で家の中に持ってくる。 なかなか力強い女の子だ。 目を覚ましたオオカミは飛んで逃げようとするが、石が重すぎて、バッタリ倒れて命を落とす。 3人は大喜び。 それならおなかを裂いた後に、ひと思いに逝かせてあげた方が親切だったのではないだろうか。 しかし、きっとそれではだめなのだろう。 オオカミにしっかりと恐怖と痛みを感じさせて学ばせるために、3人はあえて残酷な手段を択んだのだ。 この 「飲み込まれたものの代わりにオオカミのおなかの中に石を詰める」という復讐方法、どこかで聞いたことはないだろうか。 そう、同じくグリム童話に収められたの結末にそっくりなのだ。 これは偶然ではなく、グリム兄弟がわざとやったこと。 食べられて終わってしまうペロー版原作の『赤ずきん』に、 『狼と七匹の子山羊』の結末をくっつけたのである。 こうして、オオカミを倒しておばあさんと幸せになる女の子の物語が誕生したわけだ。 赤ずきんちゃんとオオカミの戦い第2回戦 しかし、赤ずきんちゃんとオオカミの戦いはこれで終わったわけではない。 グリム童話原作の 『赤ずきん』には、 「第2回戦」が存在する。 あるとき、赤ずきんちゃんがまたおばあさんのところに焼き菓子を届けにいこうとすると、 別のオオカミが声をかけてくるのだ。 2匹目のオオカミは、赤ずきんちゃんを脇道にそらそうとした。 しかし前回の失敗から学んだ赤ずきんは用心して、まっすぐにおばあさんの家に行く。 そしておばあさんに、途中であやしい目つきをしたオオカミに話しかけられたことを報告した。 2人が鍵を閉めて、家の中にいると、オオカミがやってきて戸を叩きながらこう言った。 「開けてちょうだい、おばあさん。 赤ずきんよ。 焼き菓子をもってきたわ」 家の中に赤ずきんちゃんがいるのに、彼女のフリをしてしまう。 第1回戦でのオオカミとちがって、ずいぶん間抜けである。 ドアをノックされても、もちろん2人は出ない。 そこでオオカミは、赤ずきんが夕方になって帰るまで屋根の上で待機することにした。 一人になった赤ずきんを暗闇にまぎれて食べてやろうと考えたのだ。 けれども、おばあさんには、そんな浅はかなたくらみは通じない。 赤ずきんちゃんに、 ソーセージの煮汁を家の前のえさ箱に入れるよう指示した。 そこで、赤ずきんちゃんはこの大きな石のえさ箱がいっぱいになるまで、せっせと煮汁を運ぶ。 すると、 オオカミはソーセージのいい香に誘われて、下をのぞき込み、屋根からズルッとすべりおちて、大きなえさ箱の中へまっさかさま。 そのまま溺れてしまった。 やっぱり、間抜けなオオカミだ。 なにはともあれ、この悪いオオカミはこの世からいなくなり、今回も 赤ずきんちゃんの勝利。 赤ずきんは喜んで家に帰っていった。 まとめ 赤いずきんをかぶったかわいい女の子のイメージは、CMやドラマなどでも目にすることがある。 お母さんのお使いの途中、悪いオオカミに誘惑されて、おばあさんと一緒に食べられてしまうかよわい女の子のイメージは、そのまま 『赤ずきん』という童話のかわいいイメージにつながっているのかもしれない。 しかし、グリム童話の赤ずきんちゃんは、自分とおばあさんを食べたオオカミに対して、 それ相応の仕返しをする。 それに続く別のオオカミとの物語では、自分の命を守るために、 オオカミの命をも奪っている。 原作の『赤ずきん』は食べるか食べられるか、生き残れるかどうかの真剣なサバイバルゲームの物語なのだ。 リアルな命のやり取りが繰り広げられる本当の『赤ずきん』は、やっぱり怖い物語なのである。

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赤ずきん

グリム エコーズ 赤 ずきん

画 ここでは、グリム童話における『赤ずきん』のあらすじを記す。 赤ずきんと呼ばれる女の子がいた。 彼女はお使いを頼まれて森の向こうのの家へと向かうが、その途中で一匹のに遭い、唆されて道草をする。 狼は先回りをしておばあさんの家へ行き、家にいたおばあさんを食べてしまう。 そしておばあさんの姿に成り代わり、赤ずきんが来るのを待つ。 赤ずきんがおばあさんの家に到着。 おばあさんに化けていた狼に赤ずきんは食べられてしまう。 満腹になった狼が寝入っていたところを通りがかったが気付き、狼の腹の中から二人を助け出す。 赤ずきんは言いつけを守らなかった自分を悔い、反省していい子になる。 『赤ずきん』ストーリーの変遷 [ ] ペロー以前 [ ] 作品としての赤ずきんで最も古いものは、にで出版されたペロー童話集の中の『赤ずきん』であるが、それ以前の話としての民話『黒い森の乙女』やフランスに伝わる など類話が確認されている。 11世紀の()で書かれたの詞が原型であるという説もある。 さらに、各地に多くの類話がある。 加害者の動物種が異なるもの(ではや、では大型動物)、主人公が男の子のもの()、「」の要素を併せ持つもの(東アジアやアフリカ)などである。 どこが起源かはいくつかの説があり、11世紀のの詩に由来するという説や、()の伝承が起源であるという説もある。 特に中国の伝承には、「七匹の子山羊」の要素もあるため、それらは本来は1つの物語だったのが、西洋に伝わる過程で2つの物語に分裂したという説もあった。 しかし内容を詳細に見ると、中国の伝承には、赤ずきんの古いバージョンにはない要素(例えば、主人公が大きな目について尋ねるシーン)があるため、逆に、西洋の新しいバージョンが中国へ伝わって「七匹の子山羊」と融合したと推測されている。 ペローの赤ずきん [ ] ペローが民話から作品にする段階で変更を加えたとされる点はいくつかある。 主人公に赤いをかぶせた。 ただし、11世紀の詩ですでに主人公は、帽子ではないが赤いを着ている。 民話では、赤ずきんが騙されておばあさんのとを、ととして食べるものもあるが、そのシーンを削除した。 狼が近道を行ったため先回りされたとされるが、民話では主人公に「針の道」と「ピン(留め針)の道」などの二つの道を選ばせるシーンがある。 主人公が着ている服を一枚一枚脱ぐシーンを削除。 民話にはない「教訓」を加えた。 この物語は宮廷を中心とするの女性たちのために書かれたものであったため、下品なシーンや残酷なシーンなどを削除し変更が加えられたのだと言われている。 なお、ペロー童話では赤ずきんが狼に食べられたところでお話は終わり、猟師は登場しない。 ティークはペロー童話では登場しなかった猟師を話の中に登場させ、赤ずきんを食べた狼を撃ち殺させた。 だが、この話でも赤ずきんは食べられたきり、救出されない。 グリム童話の赤ずきん [ ] グリム童話の『赤ずきん』は長い間、ドイツのとあるの非者である老婆が語る話を聞き取り、手を加えずに原稿に起こししたものであると信じられていた。 しかし、実は話の提供者にそんな人物は一人もいないということがの研究により判明した。 赤ずきんの話の提供者は、に属する高級官僚の娘たちである。 良家の子女である彼女たちは、もちろん読み書きを習得していたであろう。 したがって、彼女たちがペローの童話を読んでいた可能性は充分ある。 さらにグリムは、版を重ねるごとに話の内容に手を加えていった。 赤ずきんとおばあさんが狼のお腹から生きたまま救出されるというエピソードを追加したのは彼ら兄弟である。 近現代における赤ずきん [ ] 赤ずきんの物語は世界中で愛され、やなど様々な作家が赤ずきんのパロディ作品を世に出している。 おばあさんが狼と赤ずきんを食べてしまうというの『クッテル・ダッデルドゥが子どもたちに赤ずきんのお話を聞かせる』や、赤ずきんがおばあさんに化けた狼を見抜き、即座に銃で撃ち殺すというの『少女と狼』などが有名である。 Rotは英語の redにあたる。 英語版のタイトルは、"Little Red Riding Hood"で、これは「乗馬用コート」である。 赤ずきんの絵本でよく見る前開きのコートは、乗馬のため都合が良いようにデザインされたもので、子どもにこういうコートを仕立てさせることのできる家柄が想像される。 深層心理学的解釈 [ ] 赤や狼に的なシンボルを読み取ることが出来るとか、元々は女の子がふらふら歩いていたら、悪い狼に食べられますよという教訓話であったとか、さまざまな解釈がされている。 精神分析学者のや等は『赤ずきん』をはじめとしたメルヘンを読んで精神分析的解釈をし、民間伝承やに関して様々な考察をしたが、これらは間違ったものが多かった。 なぜなら今日知られている『赤ずきん』の話の内容の多くはペローが創作したものであって歴史が浅いので、それを読んでも民俗学的知識が得られるはずがなかったのである。 例えば『赤ずきん』に出てくるずきんの赤さをフロムは「月経の血」、ベッテルハイムは「荒々しい性的衝動」と解釈したが、ずきんを赤くしたのはペローのアイデアであった。 メルヘン学者の ()は彼らを批判し、「精神分析学者のフロム氏は存在しない象徴を超人的な敏感さで嗅ぎとって、架空の精神世界へ我々を導こうとした」と述べた。 出典 [ ].

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『赤ずきん』の原作は復讐が怖い?グリム童話でオオカミと2度バトル

グリム エコーズ 赤 ずきん

可愛らしい絵本や漫画などでも有名な 『赤ずきん』。 グリム童話の中でオオカミが出てくる話といえば、真っ先に 『赤ずきん』が思い浮かぶのではないだろうか。 きっと、かわいい赤ずきんをかぶった女の子の話を一度は聞いたことがあるだろう。 赤ずきんちゃんが病気で寝ているおばあさんの元にお見舞いに行くと、おばあさんに化けていたオオカミにペロリと食べられてしまう。 たまたま通りかかった猟師が、赤ずきんちゃんと、先に食べられていたおばあさんを助けるという話だ。 しかし、 原作の『赤ずきん』には、さらに続きがある。 オオカミと赤ずきんちゃんのバトルは、一度ではないのだ。 今回は、グリム童話版のを読み返しながら、 本当は怖い赤ずきんちゃんの世界をご紹介しよう。 \ U-NEXTなら、31日間は見放題作品140,000本が無料で視聴可能です/ 『赤ずきん』のずる賢いオオカミ 『赤ずきん』に出てくるオオカミは怖い。 ずる賢く、計算高いうえに、1日でおばあさんと赤ずきんちゃんの2人をすっかり食べてしまうほど、大きいのだ。 赤ずきんちゃんがお母さんのお使いで、病気のおばあさんのお見舞いに出かけると、すぐに1匹のオオカミがやってくる。 赤ずきんちゃんの家からおばあさんの家までは30分程度の距離とされているので、オオカミがすぐに出てこなければ、赤ずきんちゃんはとっくに辿りついていただろう。 つまり、オオカミはずっと森の入り口で、子どもが通りかかるのを狙っていたのだ。 さて、オオカミは 「こんにちは、赤ずきんちゃん」と優しく話しかける。 そして、会話をうまく誘導して、おばあさんが住んでいる場所を巧みに聞き出す。 オオカミは、こっそり考える。 「この小さな、やわらかそうな子は、脂がのっているな、ばあさんより、ずっと味がよさそうだ。 2人ともごちそうになるには、うまいことやらなくちゃな」 美味しそうな赤ずきんちゃんだけならまだしも、たいして美味しそうでもないおばあさんまでもすっかり食べてしまおうと考えているのだ。 貪欲だ。 赤ずきんちゃんが花を摘みながら、森の奥深くに入っていくように仕向けると、今度は弱っているおばあさんのところへ行く。 そして、こう言うのだ。 「赤ずきんよ、ケーキとワインをもってきたの。 開けてちょうだい」 赤ずきんちゃんが来たと思ったおばあさんがドアの開け方を教えると、 オオカミはまっすぐにおばあさんに近づき、いっきに飲み込んでしてしまう。 独り暮らしのご老人の孫に対する優しい気持ちを利用した、 グリム童話版・オレオレ詐欺。 大人一人を飲み込んでしまう食欲と口の大きさも恐ろしいが、この ずる賢さが最も恐ろしい。 ようやく赤ずきんちゃんがおばあさんの家にやってくると、オオカミはおばあさんのふりをして、赤ずきんちゃんを自分の近くにおびき寄せる。 赤ずきんちゃんが 「おばあさん、なんておそろしく大きな口なの!」と言うと、 「おまえを、さっと食うためさ!」と叫んで、オオカミは赤ずきんちゃんをもペロリと飲み込んでしまう。 ちなみに、グリム童話より前の原作として、 シャルル・ペローの童話集にも入っている 『赤ずきん』。 なんとペロー版は、ここで話がおしまい。 おばあちゃんも赤ずきんちゃんも食べられたまま、助からず、オオカミのおなかの中で人生の幕を閉じるのだ。 文字通り、救いようのない悲劇の童話である。 一方、グリム版ではここからがダークな 『赤ずきん』の見どころ。 オオカミへの壮絶な復讐が始まるのだ。 赤ずきんちゃんの復讐 オオカミに飲みこまれた2人は、猟師の手によって無事に助けられる。 ここからの復讐劇が、よく考えるとけっこう残酷だ。 2人をペロリと飲み込んだオオカミはおなかが満たされたので、いびきをかきながら眠ってしまう。 そこへ通りかかった猟師は、 「おばあさんがこんな大きないびきをかくなんておかしい」と思い、部屋の中へ入る。 すると、オオカミが寝ている。 それをみて、猟師は 「おばあさんが食べられたのかもしれない、ひょっとするとまだ助けられるぞ」 と考える。 そして、ハサミでオオカミのおなかをチョキチョキチョキ。 すると、中から赤いずきんをかぶった女の子とおばあさんが出てきた。 2人ともオオカミの胃液で溶けてなくて本当によかった。 この時、オオカミはまだ寝ている。 腹を裂かれて胃やら腸やらが出されても、寝ている。 ここにきて、赤ずきんちゃんの残酷さが垣間見える。 彼女は急いで外へ走っていき、大きな石を持ってくる。 それを見たおばあさんと猟師は、赤ずきんちゃんと一緒になってその石をオオカミのおなかに詰め込む。 オオカミのおなかに石を詰めることを思いつき、しかも3人がかりでやっとオオカミのおなかに詰められる大きな石を、一人で家の中に持ってくる。 なかなか力強い女の子だ。 目を覚ましたオオカミは飛んで逃げようとするが、石が重すぎて、バッタリ倒れて命を落とす。 3人は大喜び。 それならおなかを裂いた後に、ひと思いに逝かせてあげた方が親切だったのではないだろうか。 しかし、きっとそれではだめなのだろう。 オオカミにしっかりと恐怖と痛みを感じさせて学ばせるために、3人はあえて残酷な手段を択んだのだ。 この 「飲み込まれたものの代わりにオオカミのおなかの中に石を詰める」という復讐方法、どこかで聞いたことはないだろうか。 そう、同じくグリム童話に収められたの結末にそっくりなのだ。 これは偶然ではなく、グリム兄弟がわざとやったこと。 食べられて終わってしまうペロー版原作の『赤ずきん』に、 『狼と七匹の子山羊』の結末をくっつけたのである。 こうして、オオカミを倒しておばあさんと幸せになる女の子の物語が誕生したわけだ。 赤ずきんちゃんとオオカミの戦い第2回戦 しかし、赤ずきんちゃんとオオカミの戦いはこれで終わったわけではない。 グリム童話原作の 『赤ずきん』には、 「第2回戦」が存在する。 あるとき、赤ずきんちゃんがまたおばあさんのところに焼き菓子を届けにいこうとすると、 別のオオカミが声をかけてくるのだ。 2匹目のオオカミは、赤ずきんちゃんを脇道にそらそうとした。 しかし前回の失敗から学んだ赤ずきんは用心して、まっすぐにおばあさんの家に行く。 そしておばあさんに、途中であやしい目つきをしたオオカミに話しかけられたことを報告した。 2人が鍵を閉めて、家の中にいると、オオカミがやってきて戸を叩きながらこう言った。 「開けてちょうだい、おばあさん。 赤ずきんよ。 焼き菓子をもってきたわ」 家の中に赤ずきんちゃんがいるのに、彼女のフリをしてしまう。 第1回戦でのオオカミとちがって、ずいぶん間抜けである。 ドアをノックされても、もちろん2人は出ない。 そこでオオカミは、赤ずきんが夕方になって帰るまで屋根の上で待機することにした。 一人になった赤ずきんを暗闇にまぎれて食べてやろうと考えたのだ。 けれども、おばあさんには、そんな浅はかなたくらみは通じない。 赤ずきんちゃんに、 ソーセージの煮汁を家の前のえさ箱に入れるよう指示した。 そこで、赤ずきんちゃんはこの大きな石のえさ箱がいっぱいになるまで、せっせと煮汁を運ぶ。 すると、 オオカミはソーセージのいい香に誘われて、下をのぞき込み、屋根からズルッとすべりおちて、大きなえさ箱の中へまっさかさま。 そのまま溺れてしまった。 やっぱり、間抜けなオオカミだ。 なにはともあれ、この悪いオオカミはこの世からいなくなり、今回も 赤ずきんちゃんの勝利。 赤ずきんは喜んで家に帰っていった。 まとめ 赤いずきんをかぶったかわいい女の子のイメージは、CMやドラマなどでも目にすることがある。 お母さんのお使いの途中、悪いオオカミに誘惑されて、おばあさんと一緒に食べられてしまうかよわい女の子のイメージは、そのまま 『赤ずきん』という童話のかわいいイメージにつながっているのかもしれない。 しかし、グリム童話の赤ずきんちゃんは、自分とおばあさんを食べたオオカミに対して、 それ相応の仕返しをする。 それに続く別のオオカミとの物語では、自分の命を守るために、 オオカミの命をも奪っている。 原作の『赤ずきん』は食べるか食べられるか、生き残れるかどうかの真剣なサバイバルゲームの物語なのだ。 リアルな命のやり取りが繰り広げられる本当の『赤ずきん』は、やっぱり怖い物語なのである。

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