せ・ぼん。 豊洲駅前の角打ち「せ・ぼん」が日替わりランチを開始してたので食べてきた!

大トラワイフと門前仲町のはしご酒で「親孝行プレイ」を考える。「魚三酒場」→「角打ち せ・ぼん」篇

せ・ぼん

908. 908. 0745• 274. 274. 3910• 311. 311. 7265• 2627. 1024.

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せ ぼん(地図/写真/豊洲/居酒屋)

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せぼん(祐天寺/焼き鳥)

せ・ぼん

門前仲町駅 ワイフの実家で勃発する親子げんかは、酒を飲み過ぎる娘(ワイフ)、門限を守らない娘(ワイフ)に、両親がお説教をするというところから始まる。 素直に詫びてしまえば終わるものを、「三十路もとうに過ぎた大の大人に門限もへったくれもないわ」と言うのが彼女の言い分。 「何歳やとおもてんのん。 私のこといつまで信用してくれへんのん、もう大人やで、もうちゃんと東京で仕事して生活してんねん!」。 苦難に満ちた(満ちてないが)上京物語が、脳内で繰り広げられ、都会の砂漠でひたむきに生きる女の一人芝居が始まる。 そんな情緒不安定な娘に、両親はさらに心配を募らせ、「もう君だけが頼みの綱……!」とボキをすがるように見るのである。 「親孝行はプレイ」。 みうらじゅん先生の名言を今年もワイフに贈りたい。 寺町の老舗酒場で「流儀」を体得するナイト「魚三酒場」 まずは「魚三酒場」でこの町で飲む流儀を体得せよということのようだ。 本来もっとも混雑している時間帯ではあるが、運良く入れ替わりでカウンターに座ることができた。 皆、肩をきつきつに触れ合わせながら飲んでいる。 壁にびっしり貼られた達筆な品書きを見て驚いた。 ありとあらゆる魚料理、それも刺身も300円台が主流、煮物も揚げ物もないものがナイ!というくらいお魚好きのハートをわしづかみ。 夢のようだ。 圧巻の短冊景にしばし見とれていると、「生ビールとお酒と、寒ブリ刺しと赤貝刺身をくださいっ」とワイフが兄貴に声を張る。 「ここは世間と時空が違うんだ。 うっとりしてる時間などない。 間髪開けずに飲んで食べる。 で小一時間でほろ酔ってしかと退散する。 これが粋なナカチョウルール」。 お向かいのおじさんは大きな魚のお頭を黙々と食べ、向かいの姉さんは山盛りの中落ち(310円)と熱燗をペース良く飲んでいる。 皆、お隣さんと会話をエンジョイしながらも、箸もグラスもなかなかのピッチで動いている。 酔っぱらってしまったじいさんは、半ば強制的にお会計だ。 「最初は刺身、次は揚げ物か煮魚、酢の物をはさんでしめには汁ものを頼むって流れはここでおのずと覚えたんだ。 ふつうの店ではなかなかそうはいかない」とワイフ。 女将が目力で推奨する体にもっともいい飲み方なのだろう。 ふと、隣のおじさんが、「久しぶりに来たんだけど女将いないね。 元気にしてる?」「元気ですよ」と兄貴が当たり前のこと聞くなというふうに言う。 「いないといないで寂しいから」。 隣でワイフが頷きながら、「酔っ払いは、怒られたい生き物なんだ。 コワいコワいが、くせになる。 それがここの最たる魅力」と言う。 お会計はふたりで3000円ちょっとだった。 店を出ると、「ばあさんが生きてるってわかって良かったぜ」とワイフ。 ボキは伝説のコワモテばあさんを想像しながら、会いたかったような、会わずにすんでほっとしたような気分。 渡った先に、地元の人から聞いた目当ての店があるらしい。 しかし、店の住所にたどり着くや否やふたりで立ち尽くした。 どう見ても、ガレージだ。 中の電灯がついているのはわかるが、間口から様子を見ることはできない。 かろうじて外に小さなメニュー表はある。 ものすごく、入りにくい。 「……よし、ユーから先にゴー」。 例によってボキの背中をたたき扉を開けさせる。 「こんばん、は……?」第一感、あれ?と思った。 なんだかがらんとしているのだ。 飲み屋っぽくない。 やけに天井が高いのはやはり倉庫だからだ。 「いらっしゃいませ〜」にこやかに微笑みかけるおじさん。 店内には折りたたみのウッド調テーブルが置かれていて、常連らしき人々がのどかに飲んでいた。 自分は長らくサラリーマンをしたのち、母方の実家が居酒屋だったことから、その世界に通じており、脱サラをして開業したのだと言う。 「へえ、居酒屋さんですか。 まだお店はあるんですか」「ええ、門前仲町に」「どこですか?」「魚三酒場って言うんですけどね」。 ワイフとともに半腰を上げた。 「……ウオサン、ですか。 あの女将が名物の」「ええ、さっきまでここで飲んでました。 最近は開店から二時間ほど店に出て、あとはうちに来て晩酌です。 あはは」。 常連客が言う。 「女将は毎晩ここにいるよ。 ここで飲みながら、いっつも言うの。 『末っ子は可愛いからねえ』って」。 ここ「せ・ぼん」の店主は、魚三の末っ子だった……。 「せっかく酒屋になったんだから、実家にも旨い日本酒入れようと思ったんだけど。 母親が、魚三は今のままでいいんだって。 そこだけは一歩も引かないんです」と面白そうに笑った。 コワモテばあさんが、ほっこり目を細めてくつろぐ場所があったんだ……とワイフが低い声でつぶやいた。 それはあまりに意外で少し感動的でさえあるようだった。 にこにこ顔の店主が言う。 「毎年、日本酒の蔵元を巡る旅行をやってるんです。 良かったらぜひ」「どんなツアーで?」と聞くと、道中からドライバー以外は車内で乾杯し、蔵元見学をし、そのあと温泉宿では店主が持ち込む一升瓶のお酒を飲み放題だというまさかの一泊四食付きツアー。 「僕は毎年ドライバー役なんですよ。 定員6人だから、すぐうまっちゃうんですけどね」6人……ですか。 店もイベントも、まったく気負いがないのがすてきだと思った。 とどめは、「店は20時までなんだけど、20時に来られた場合は、20時45分まで延長します」。 これが「末っ子」なのかもしれない。 愛情に包まれてのびのびと育ってきたのだろう。 ワイフも末っ子だ。 だいぶ荒くれだった末っ子だが、根が自由奔放というところはおんなじだ。 血のつながらない親には優しくできるワイフである。 「せ・ぼんのマスターみたく、親孝行プレイで脱サラして店を始める人間がいるんだ。 みかんを段ボールいっぱい食べるくらいなんてこたあないだろ」とワイフ。 同じ言葉を返してやりたい。 「今からおとんとおかんにメールを書く」とワイフがパソコンを開いた。 おお、正月の暴君ぶりを詫びるのか、いい心構えだ。 と思ったら、『父、母へ。 お仕事の発注です。 このたび大阪に関する以下の資料が必要になりました。 図書館で構いませんので資料収集の上、東京へお送りください。 尚、ネット情報は不可です。 地元ならでは濃い情報をお待ちしております。 締め切り一週間後で何卒。 そっこーで返事が来た。 『ゴン太様。 調査の件、了解! おとんにまっかせなさ〜い』。 子が子なら、親も親だ。 「ご隠居さんにお仕事をあげる。 これぞ、最高の親孝行プレイだ」ワイフが勝ち誇ったように言った。 いつだって振り回され損なボキであった。

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