ミロ の ヴィーナス 要約。 福岡県立山門高校での平川裕美子先生の取り組みをご紹介します。

ミロのヴィーナス 解説その6 まとめ+定期テスト予想問題

ミロ の ヴィーナス 要約

これから当ブログでは、学校現場で働かれている先生方の取り組みもとりあげていきます。 最初にご紹介するのは、福岡県立山門高校の平川裕美子先生です(現在、八女工業高校)。 平川先生は、現代の生徒の実態から、生徒の思考力・判断力・表現力の不足を感じ、これらの力を伸ばすためにアクティブラーニング型授業を取り入れた国語の授業研究に取り組まれました。 一年次には、各自が新聞記事を元に記事の要約をつくり、発表する(ニュースキャスターになろう)。 二年次は、あるテーマの文章を読んで自分の意見を発表し、相互評価するという内容です。 この取組は生徒たちの自己評価やアンケートからみても大いに好評であり、生徒たちは自分の意見を人に伝えるという言葉の重要性に気づくとともに、人の意見を正しく聞くことの重要性も感じることができていました。 先生の取組は、生徒たちに国語の楽しさや授業の面白さを感じさせるだけでなく、世の中のことに関心を持ち、自分がどう関わっていくのか、また人にどう伝えていくのかというキャリア教育で培う能力も育成されています。 このことは、弊社(フォーサイトアクト)が長年考えてきた、将来、社会人となっていく生徒たちに身に付けてほしい能力とも完全に一致しており、すばらしい実践であると考えています。 ついては、平川先生の研究論文を掲載しますので、ぜひ多くの方に一読していただきたいと思います。 平川先生の研究論文 研究主題 現代文の読みを深め、思考力・判断力・表現力を伸ばすための『話す・聞く』指導 ~アクティブ・ラーニング型授業の試案~ 研究主題設定の理由 平成22年6月「高等学校学習指導要領解説 国語編」において、国語科の目標として「国語を適切に表現し的確に理解する能力を育成し、伝え合う力を高めるとともに、思考力や想像力を伸ばし、心情を豊かにし、言語感覚を磨き、言語文化に対する関心を高め、国語を尊重してその向上を図る態度を育てる。 」とあり、「思考力」に加えて「想像力」を伸ばすことが新たに加えられた。 「思考力」とは、言語を手掛かりとしながら物事を筋道立てて考える能力であり、「想像力」とは、物事を心に思い浮かべたり、推し量ったり、予測したりする能力である。 「想像力を伸ばす」とは、実際には見たり経験したりしていない事柄などを頭の中に思い描く段階から更に進んで、様々な資料を基に、これから起こるであろうことやどのように行動すればよいのかということを思い描くなど、将来の状況やあるべき姿を予測したり、見通しをもって行動したりすることの能力までを含めて身に付けることである。 更に高等学校段階における想像力には、物事の微妙なところまで感じ取る心情的な側面のみならず、根拠に基づき先を見通すなど、論理的な側面もあること、そして、そのような想像力を一層発展させることが明示されている。 さらに、「高等学校学習指導要領 総則 第5款 教育課程の編成・実施に当たって配慮すべき事項」において、「各教科・科目等の指導に当たっては、生徒の思考力、判断力、表現力等をはぐくむ観点から、基礎的・基本的な知識及び技能の活用を図る学習活動を重視するとともに、言語に対する関心や理解を深め、言語に関する能力の育成を図るうえで必要な言語環境を整え、生徒の言語活動を充実すること」とあり、授業の中で言語活動を計画的に取り入れることで、生徒が受け身でなく能動的に学習に取り組み、思考力・判断力・表現力を伸ばすことのできる「授業の構成と方法」を研究することにした。 本研究では、現代文の授業でこの「思考力・判断力・表現力」を伸ばすことを目標としたが、それは本校の生徒においてこの力が弱いことを感じる場面が多々あったからである。 例えば入学当初の国語総合の授業において、質問に対して「わかりません」と安易に答えたり、答えたとしても単語一語で答え、その根拠などについては全く説明できない、また問題を解答する際に択一式の問題には答えるが、記述式の問題にはなかなか手をつけようとしない生徒が非常に多かったことが課題であった。 更に「文章を読むことのどんな点が苦手か」というアンケートを採ると、「文章を読むのが面倒くさい」「理解できない」「速く読めない」「作者の考えを答える問題が分からない」というものが多かった。 この結果から国語嫌いの理由の一つには、生徒の実態として「文章を読み、思考することに苦手意識を持っている」ということが挙げられ、そこに思考力不足の問題があり、何らかの対策が必要であると考えた。 また、先に挙げたように授業中の発表で自分の意見を明確に述べることのできる生徒が少ないこと、定期考査や外部模試での記述式問題における無解答が目立ったことからも、「文章を読んで、考え、表現する力」の不足を感じた。 このことは、2012年に行われた「OECD生徒の学習到達度調査」にも同一傾向が現れている。 PISA調査における「読解力」の平均点は上昇しており、2012年の結果は参加65か国中4位であったが、しかし「読解力問題の日本の平均無答率は、OECD平均とほぼ同じであるのに対し、日本の平均無答率がOECD平均より5ポイント以上上回っている4題はいずれも自由記述である。 」(「OECD生徒の学習到達度調査~2012年調査国際結果の要約~」H25国立教育政策研究所より)このことより、思考力・判断力・表現力の向上は本校だけでなく、多くの子どもたちの課題でもあると考えた。 また、これらの力はインプット中心の一方向的な授業だけでは伸ばしにくいと考え、アクティブ・ラーニング型授業によるアウトプットを取り入れた授業の工夫を行うこととした。 アクティブ・ラーニングの定義とは「教員による一方的な講義形式の教育とは異なり、学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。 発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である。 以上のことから、「思考力・判断力・表現力」を伸ばすための、アクティブ・ラーニング型授業による「話すこと」「聞くこと」の指導に重点を置いた授業の工夫を主題とした。 研究の目標 単元ごとに初めに課題(スピーチ・テーマ等)を設定し、その解決に向けた読みを深める方策として「話す・聞く」活動を行うことで、思考力・判断力・表現力を伸ばす。 その際、「授業構成」を固定化し、生徒たちが主体的に学習できる環境づくりを行う。 研究の仮説 文章を「読む(=理解する)」【インプット】するためには、文章を読んで「考える」力(思考力・判断力)を育成する必要があり、そのために文章に基づいて話したり、聞いたりすること(表現力)【アウトプット】を取り入れた指導を行うことで「思考力・判断力・表現力の向上」を図ることができると考えた。 「話すこと・聞くこと」とは、テキストを読んで作者の表現意図や内容について、根拠をもとに考えて話す活動のことであり、文章を理解・評価しながら読む能力を身に付けさせることを目的とする。 具体的には、ペアワークやグループワークを通しての意見交流や要約・意見・感想を話す等の活動を積極的に授業に取り入れることである。 研究の内容と方法 「私はニュースキャスター」(1年 国語総合・総合的な学習の時間)…NIE (1) 目的 新聞を読み、その内容を理解して自らの言葉で他者に伝え、意見交換をする活動を通して、社会で起こっている様々な事象に興味を持ち、社会の諸事情とつなげながら自らの意見を話す力・聞く力をつける。 またキャリア教育として、進路を考えるきっかけとする。 (2)概要 新聞記事を読み、ワークシート(評価表付き)にしたがって記事内容をニュース原稿としてまとめ、自分の意見を加えてニュースキャスターとしてそのニュースを伝える。 各クラス生徒を班別(4人程度)に分ける。 班の数は特に各クラスでそろえる必要はない。 ニュース原稿作成(要約)の手順を説明する。 「見出し」「前文」「本文」で構成され、逆ピラミッド(逆三角形)型になっている(大事なことから書かれている)。 5W1Hを確認する(全部はない場合もある)。 文と文をつなぐ際の接続詞を工夫し、です・ます調で原稿をつくる。 全員に同じ新聞記事(教師が用意する)とワークシートを配布し、ワークシートに従ってニュース原稿(要約)を書かせる。 各班で回し読みをし、もっともよいと思われるものをひとつ選び、全体の前で読ませる。 模範のニュース原稿を配布し、教師がキャスターとなり原稿を読み上げる。 次回は、生徒がキャスターとなって読み上げることを伝える。 各クラス生徒を前回と同じ班に分ける。 全員に同じ新聞記事とワークシートを配布し、ワークシートに従ってニュース原稿(要約)を書かせる。 各班で一人ずつニュース原稿をキャスターさながらに読み上げ、評価表に従い評価する。 もっともよいと思われるものをひとつ選ぶ。 2~3を別の記事とワークシートで再度行う。 2つの記事の原稿および発表のうちいいものをひとつ選び、時間の許す限り前で記事を読ませる。 前回と同様の班に分ける。 班毎にキーワードに関連する新聞記事とワークシートを人数分配布する。 キーワード毎の記事を担任に配布するので、必要に応じて印刷し配布する。 必要であれば、同じキーワード内での班のシャッフルを行う。 記事を読み、ワークシートに従って記事をニュース原稿に仕上げていく。 原稿を書いたら、ワークシートの「4.自分の意見を書こう」の欄に自分の意見や感想を書かせる。 各班内で、キャスターとなって記事と意見・感想を伝える。 各班で、評価表に従い評価する。 班で評価が高い生徒を1名選び、前で発表させる。 初めに、今回から「意見の組み立て方」を意識して取り組むことを伝える。 「意見の組み立て方」は3種類から選んで書くことを指示する。 原稿用紙を配布し、今までに読んだ記事の中から1つ選択し、その記事に対する自分の意見を400字程度で書く。 【7時間目】 2. 書いたものを班で発表し合い、意見交換を行う。 【8時間目】 3. 意見交換を通して、自分の書いた意見文を再考し、完成させ提出させる。 投稿されるかどうかを各自新聞でチェックするように伝え、投稿されたらその記事を持ってくるように指示する。 (4)生徒の感想 短い時間で大事な所をまとめて人に伝えるのは難しかったが、だんだんできるようになった。 友達との意見交換などもあったため考え方の幅が広がった。 (5)成果と課題 それまでは単語でしか発表しなかったり、記述問題を書かない生徒が多かったが、この新聞記事をまとめて人に伝えるという活動を通し て、話すときに徐々にではあるが客観性を意識できるようになってきたと思われる。 また記述問題においても無答率は格段に減ってきた。 また、今回は授業だけでなく総合的な学習の時間と組み合わせて実施した。 そのためキャリア教育としても社会に対する興味・関心を育てることができたとともに、各自の興味関心のあるキーワード毎にグループを分けてそれぞれの分野の記事を読んでの意見交換を行っため、進路に対する意識を高めることができた。 また、多くの先生方に指導に関わってもらうことができたため、NIE活動で使った新聞記事を家庭科や情報の時間に学習内容に応じて活用してもらうなど、新聞記事活用の場面を広げることができ、授業内容と社会の繋がりを意識させることができた。 さらには、英語科の授業においても英字新聞を使って同じ活動をしていただくなど、教科横断的に指導を広げることができた。 しかし、課題も残った。 それは、記事に対する自己の意見を話すことについてである。 「記事の要点をまとめて伝える」ことは次第にできるようになっていったが、記事の内容について「自己の意見をまとめて伝える」ことについては、なかなか深く考えることができず、自分なりの意見や説得力のある意見を話すまでには至らなかった。 そこで、2年次はこの「自分なりの意見を考え、話す」力を伸ばすために「スピーチ」を中心とした現代文の授業を行うこととした。 「私は評論家」(2年 現代文B)…スピーチ (1)目的 「スピーチ・テーマ」に基づいて、文章を読んでの自分の意見を発表させることにより、作者の表現意図に注目し、自分なりの考えを持って文章を「能動的」に読ませる。 (2)概要 単元の初めに「読解のためのスピーチ・テーマ」を設定し、それについて常に考えながら文章を読み、考えを深め、単元の最後に「スピーチ・テーマ」に対する自分の意見を発表する流れ(「授業構成の枠」を固定する)で進める。 (3)各時間の指導の流れ 《評論1》 「『身銭』を切るコミュニケーション」 内田 樹(「精選現代文B」東京書籍) スピーチ・テーマ:「『メタ・コミュニケーション』について思うこと」 能動的読解のポイント:文章のテーマを読み取り、主題について考える。 意味段落ごとに100字要約をしたもの(宿題)を検討する。 この文章の「キーワード」を考える。 ペアでスピーチし合い、相互評価する。 ペアを替えて、もう一度スピーチし合い、相互評価する。 評価の高かった者数名が全体に向けて発表する。 (イ)授業の進め方 【要約の仕方・説明プリント】 【「『身銭』を切るコミュニケーション」ワークシート】 「スピーチ・テーマの設定」と「スピーチの型」を最初に見せておき、この文章を読むにあたって考えるべき事項を予め提示しておく。 【スピーチ発表(ペア)の流れ】 ペアでスピーチし合い、相互評価する。 これを2回繰り返す。 【評価シート】 ペアを交代するので、一時間に二人から評価シートを受け取ることになる。 この評価の点数の高い者の中からクラス代表を数名指名し、全体に向けて発表させる。 《評論2》 「ミロのヴィーナス」 清岡 卓行(「精選 現代文B」東京書籍) スピーチ・テーマ:「評論『ミロのヴィーナス』の表現の面白さについて」 能動的読解のポイント:クリティカルに文章を読む。 意味段落ごとに200字要約をしたもの(宿題)を検討する。 この文章の「キーワード」を考える。 ペアでスピーチし合い、相互評価する。 ペアを替えて、もう一度スピーチし合い、相互評価する。 評価の高かった者数名が全体に向けて発表する。 この部分はあえて授業では極力説明しないようにし、ヒントのみ出しておく。 そのためには、単元に入る前に必ずこの予測を行う必要がある。 【スピーチまとめ】 代表で発表した生徒のスピーチを原稿起こしさせて、全員に配布する。 様々な着眼点があり、様々な論の展開が生まれることを、スピーチのフィードバックにより理解させ、さらに思考を深める手立てとする。 《小説1》 「山月記」 中島 敦 スピーチ・テーマ:「李徴の生き方について」 能動的読解のポイント:疑問を持ちながら読むことで、作者の表現意図や小説の主題に迫る。 (ア)単元の指導計画(10時間) 【1時間目】「疑問点」探し• 本文の朗読CDを聞きながら、疑問に思うことを3つ探す。 初読感想文を書く。 グループで、この小説を読んで解決したい「疑問点」をひとつ決める。 (この小説を読む上での「読解テーマ」となることを意識して決めさせる) 2. 「疑問点」を解決した上で、「李徴の生き方」について意見を述べることが目標であることを伝える。 【3~8時間目】本文読解 【9時間目】「疑問点」の解決• グループに戻り、読解後各自が導いた「答え」を持ち寄り、「疑問点」を解決する。 ペアでスピーチし合い、相互評価する。 ペアを代えて、もう一度スピーチし合い、相互評価する。 評価の高かった者数名が全体に向けて発表する。 (イ)授業の進め方 【ワークシート】 グループで各自が準備した「3つの疑問点」を発表し合う中で、その場ですぐ解決できるものはお互い意見を言って解決し、皆が疑問を共有できるものを、そのグループの「読解テーマ」とする。 【初読後の疑問点(読解におけるテーマ設定)】 グループで決めた「疑問点」(読解テーマ)を発表したものを、次の時間の最初にフィードバックし、あらためてテーマを意識して、読解に入る。 疑問点は鋭いものが多く、作者の表現意図を意識した読みの観点のものも増えてきた。 疑問点を並べるだけでも作品の主題が見えてきそうである。 (4)生徒の感想 【思考力・判断力】 スピーチをしてみて、様々な観点から物事を見ることが大切だと分かった。 皆の発表を聞いて、思いもよらない切り口の意見に驚き、感心させられた。 文章についての自分の考えを導き出すことは簡単なものではないが、より深く文章に入り込める感じがした。 さらに自分の主張を聞いて評価してもらい、どの点で不足しているのか改善すべき点を指摘してもらったので、この授業はとても大切であり、将来にもつながるものだと思う。 【表現力】 皆の発表を聞いて、具体例の挙げ方や引き込まれるような話し方など、とても面白く良い刺激を受けた。 人の発表を聞いて接続詞の使い方がうまいと分かりやすいと思ったので参考にしたい。 もっと質の高いスピーチができるように頑張りたい。 これこそメタ・コミュニケーションであると考えた。 話し手や聞き手が相手を思いやることが原点にあり、その方法は様々であるということに気がついた。 【関心・意欲】 人の意見に納得したり、驚いたりすることがたくさんあり、スピーチは楽しいなと思った。 前回より自信を持って話すことができた。 感想もしっかり書かれていて、話してよかったと思えた。 研究の考察 (1)思考力・判断力・表現力の向上に必要な要素 1年次においてNIE指導を継続して行ったが、ニュースキャスターとして記事の内容をまとめ、自分の意見も併せて伝えるというアウトプットの指導を通して、積極的に「読む」姿勢を作り、文章を読んで「考える」習慣をつくることは少しずつできてきた。 しかし、文章を理解するにはやはりその根底にある作者の表現意図や文章構成を考えることなしには、飛躍的な思考力・判断力・表現力の向上はできないと実感した。 そこで、自分でスピーチをすることにより文章構成を考え、それを発表することで相互評価し合い、「人に伝えるという文章の本質」を実感させることをねらいとした。 また、本文を学習する前に「スピーチ・テーマ」を提示することにより、文章を読む際に「予測して読む」推論能力(想像力)やそのための根拠を捉える力(論理力)の育成を目指した。 (2)アンケートより 主体的に学ぶ活動(アクティブ・ラーニング)を授業に多く取り入れたことにより、国語に対する興味・関心を高めることができたと考えられる。 また、NIE活動を行った時よりも、より自分の意見を伝える機会の多いスピーチ活動の方が効果を実感できた生徒が多かったようである。 (3)成果と課題 現代文の授業において、単元ごとに初めに課題を設定し、その解決に向けた読みを深める方策としてスピーチ活動(「話す・聞く」活動)を取り入れたが、最初に必ず「スピーチ・テーマ」を設定した。 これは、全体を俯瞰するための切り口となる問いでもあり、また最後には自己の思考を掘り下げていくための問いともなる。 この問いの答えを常に考えながら生徒は文章を読み進めることになり、この「スピーチ・テーマ」は単元における最も重要な発問となる。 単元の最後に各自が深めた思考のもとスピーチを発表するが、それは単なる意見というよりも、本文を読んだ思考の過程の表れであり、思考力と表現力が如実に表れるものである。 またスピーチを「話す」ことは、「書く」こと以上に他者を強烈に意識するところに良さがある。 つまり、文章を考える際、相手に伝えるという「客観性」を持って文章構成を考えるということである。 これは、文章を読む際にも論理という客観性なしには読めないので、読解にも非常に役に立つと思われる。 さらには、他者のスピーチを「聞く」ことは、様々な意見の集積となり、そこに多くの観点から物事を見たり、新たな発見をする感動を体感することができる。 また自己の意見と比較しながら聞くわけで、そこにクリティカルに聞く態度が生まれる。 これらの活動を通して、思考力や表現力は向上していると実感している。 『山月記』の初読感想文でも主題に迫るような鋭い視点が生まれてきた。 今後、さらにこの学習活動を活発化させるためには、指導者の「問い」の立て方が非常に重要となるので、十分な教材研究や指導力の向上が求められる。 また、授業の中にもっと頻繁に意見を交換しながら答えを導くような発問の工夫をしながら、アクティブ・ラーニングの場面を増やしていきたい。 【生徒ワークシート作成例】 【『山月記』初読感想文集】 yumekatsu.

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ミロのヴィーナス 解説その6 まとめ+定期テスト予想問題

ミロ の ヴィーナス 要約

(美術作品がその一部を失っていたら、制作意図や全体像不明な不完全なものとなる、ということが前提になっている。 つまり、「不完全」=「欠陥」という常識を逆転、「不完全」=「魅惑的」という理屈。 ) 問2 高雅と豊満の驚くべき一致を示している美(19字) 同文に「高雅と豊満の驚くべき合致を示しているところの、いわば美というものの一つの典型であり」とある。 特に条件がない時は、できる限り本文中の語・語句を使って答えるようにします。 そうしないと本文の真意とは限りなく離れていくことが多いのです。 問3 特殊 両腕が失われていない本来のヴィーナス像と両腕が失われている現存のヴィーナス像についてで論じられている。 (蛍光ペンなどでマーク)。 問4 (例解1) 水平を指さす手〈実態〉が、向かうべき未来の象徴となっている。 (例解2) 唇の前に立てられた人差し指〈実態〉が、何も言うなという命令の象徴となっている。 (もちろん、「象徴」するものはコンテクスト〈文脈〉によるんだけど。 ) advanced Q. (1)「 部分的な具象の放棄」と同意義となる6字の一続きの語句を本文中から抜き出せ。 (2)「 美術品であるという運命」とは具体的にはどういう運命なのか分かりやすく説明しなさい。

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「手の変幻」ノート : Hello,Again

ミロ の ヴィーナス 要約

「ミロのヴィーナスを眺めながら、彼女がこんなにも魅惑的であるためには、両腕を失っていなければならなかったのだと、ぼくはふとふしぎな思いにとらわれたことがある」 この文章は、詩人・小説家の清岡卓行(1922年~2006年)が書いたエッセイ「手の変幻」に収録された「ミロのヴィーナス」の冒頭です。 取材したのは、この作品を記述問題にした現代文の授業。 受けているのは「特進コース」の高3生たちです。 作者の清岡の文章は、次にこうに続きます。 「彼女は、十九世紀の初めごろ、メロス島でそこの農民により、思いがけなく発掘され、フランス人に買い取られて、パリのルーブル美術館に運ばれたと言われている。 そのとき彼女は、その両腕を、故郷であるギリシアの海か陸のどこか、いわば生臭い秘密の場所にうまく忘れてきたのであった。 いや、もっと的確に言うならば、彼女はその両腕を、自分の美しさのために、無意識的に隠してきたのであった」 そして、作者はミロのヴィーナスが両腕を失ったことは「 部分的な具象の放棄による、ある全体性への偶然の肉薄であるようにも思われる」と述べています。 この日の授業では、傍線部が「具体的にどのようなことか、40字以内で説明しなさい」という課題が与えられました。 授業を担当している上瀧栄治先生は解説します。 「書き出しの一文には『なければならなかった』が入っているね。 これは文末強調のマーカーだ。 こういうマーカーがついているところはきっちり読んでいこう。 ミロのヴィーナスは『両腕』を失うことによって、『こんなにも魅惑的』を得ることができたわけだ。 失ったものは『両腕』、得たものは『こんなにも魅惑的』だよ。 では、これを傍線部と対応させてみよう。 『部分的な具象』イコール『両腕』、『ある全体性』イコール『こんなにも魅惑的』になるね。 けれども、問題文をよく読んでごらん。 出題者は『具体的に』という指示をわざわざ加えている。 『両腕』は具体的だけれど、『こんなにも魅惑的』は具体的とは言えないよね。 だから、君たちはこれを具体的に言いかえている箇所を探しながら読まなければいけないわけだ。 では、マーカーに注意してさらに読み進めていこうか」 授業終了後、上瀧先生にうかがいました。 「現代文の入試問題の多くは評論文ですが、難解な文章のすべてを理解できる高校生は稀にしかいませんし、そんなことはできなくてもいいのです。 必要なのは、与えられた問いに対して正解を出すことだけです。 そのためには、まず作者の主張をつかむこと。 センター試験の評論問題などはそれがすべてですし、私立大学の記述問題もそうです。 ただ、一口に主張をつかむといっても、そのためのノウハウを教えないで、『ここが主張になっている』と解説するような授業では、生徒たちは自分で主張を見つけて、正解につなげていくことはできません。 ですから私の授業では、ここが主張だということを示すマーカーに注意を向けさせます。 マーカーは長い文章の中で主張を導き出す決まり文句です。 『しかし』『だが』のような逆接の接続語、これもマーカーです。 『AではなくBだ』『Aというより、むしろBだ』のように、AとBを比較してBに軍配を上げる構文を作る語、これもマーカーです。 例や引用もマーカーです。 その直前か直後に必ず主張がきます。 『~という営みは』、『~という行為は』のように『とは』という語によって何かが定義されていたら、そこは主張文になります。 作者が読者に対して何らかの疑問を提示していて、その疑問への答がセットで示されている場合、そこは必ず主張になります。 こういったマーカーに注意して主張文を見つけて、それをつなぎ合わせていき正解に迫るというのは、客観問題だろうと記述問題だろうと、まったく変わりません」 生徒たちに授業の感想を聞いてみました。 「これまで現代文の選択肢の問題では、なんとなくという理由で答えを選んでいました。 でも、マーカーに注意しながら読むことを学んでからは、『絶対にこれだ!』という確信を持って選べるようになりました。 これまで苦手だった要約も、上手にできるようになりました」(Sさん) 「Sさんと同じように、私も現代文の問題をフィーリングで解いていました。 でも、最初に上瀧先生の授業を受けたときに『あっ、こんな解き方があるんだ!』と衝撃を受けて以来変わりました。 今では以前と比べてはるかに問題が解きやすくなりました」(Yさん) 「僕は高3の1学期に1カ月間だけ予備校に通っていました。 現代文の授業を受けたら、上瀧先生の授業のほうがわかりやすくて……。 上瀧先生を信頼して、ついていこうと改めて思いました」(Aくん) 「上瀧先生のおかげで、国語の試験の点数が安定してきました。 他校に通っている友達にも『帝京の先生の授業はすごくわかりやすいよ』と自慢しています。 その友達は『評論文は難しくて長くて、時代背景がわからないと解けない』と言っています」(Iくん) 最後に4人の進路目標について聞きました。 Sさんは経営学を、Yさんは日本文学を、Aくんは日本史か英語を、Iくんは西洋史を、それぞれ難関大学で学びたいそうです。

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